2016年9月21日水曜日

雨の中で一人で移動する力

 トライフルは就労移行支援と生涯学習の場です。

 今日は,台風の影響で,夕方から大雨になってきました。
トライフルのメンバーは,風雨がひどくなる前に帰宅していきましたが,
もうすでに雨は降り始めていました。

 今年の重点課題の1つで「自分で移動する」取り組みは,順調に進んでいます。
みな,最寄り駅から自宅までの徒歩移動は,ほぼ達成する事が出来ました。
ただ,どんな天候にも応じられるか? 何か不測の事態に応じられるか?と
リスクを書き出すと,不確実なところはまだあります。
それでも,「僕は一人で帰ります」と自信を持っているみると,
様々な備えをしてトライし続けることが重要だと新ためて考えるところです。

さて,雨天時の通勤,通所では,いくつか共通する課題があります(以下参照)
どれも,スキルの習得だけでなく,判断する基準やタイミングがかかわってきます。
そして,体験的に学ぶことで理解を深めてきている内容です。

 ・雨天に応じた身仕度をすること(靴,着替え,レインウェアなど)
 ・バスに乗るときに,スムーズに傘をたたむこと
 ・車内などで傘を束ねてとめること
 ・車内で他者に触れないように傘を管理すること
 ・濡れてしまったときに対応すること
 ・歩道ですれ違うときに避け合うこと


2016年9月16日金曜日

通勤電車の中で支え合う経験

 トライフルは,就労支援事業と生涯学習の場です。

 今朝,私鉄に乗って一緒に通勤していたときの出来事です。
まとめると,

・見ず知らずの方との偶然の接点がありました。
・いきなり“握られる”(=頼られる)という経験でした。
・そのまま10分近く隣同士で座った時間を過ごしました。
・そして,「ありがとう」と声をかけられました。
・彼は,おじいさんに気づいたけど,手を差し出せなかったし,何の返事もできなかった。
・でも,滑ることが怖くて腕を握ってきたおじいさんの働きかけを,正面から受け止めることができた。

今日の出来事は,電車通勤していたから出来た経験です・・・。
小雨が降っていて,階段や点字ブロックなどが滑りやすい朝でした。
当然のことながら,車内の床も濡れていて,滑りやすい状況です。

 そんなとき,80歳を越えているだろうと思われる腰を大きく曲げて,杖を突いて歩くおじいさんが乗車してきました。しかし,席に着く前に電車が動きだし,電車が揺れ出したので,おじいさんはドア付近の角に身を寄せて止まっています。(見ている方も不安になり)声をかけたのですが,足を滑らせる怖さがあってか動けず,「大丈夫」と手で答えてくれました。

 次駅で停車したとき,おじいさんは,クルッと反転してこちらを向き,トライフルメンバーの隣の空席に移動しようして歩き出したのです。停車時間はほんの1分程。子どもは,正面を歩くおじいさんを見つめ,不安そうな目をしていました。でも,声をかけることはできませんでした。

 たどり着く前に発車ベルが鳴り,おじいさんはさらに焦って,子どもの腕に手を掛けて(手を貸してもらって),座るために体位を変えました。身体の向きを変え始めて15 〜20秒ほどでしょうか・・・
彼の腕と背中に,「グッ」と力が入ったことがすぐに分かりました。それでも彼は何食わぬ顔で,おじいさんに腕を握ってもらったままジッとしていました。その様子が,どこか誇らしげでした。
でも本当はびっくりしたんだと思います,きっと。


おじいさんは席に着いて「ありがとう」と言い,つかまっていた手を放し,汗を拭ってから彼の横顔をみました。イヤーマフをして,電光掲示に注目していた彼を,おじいさんは何度か振り向いて見ていました。
その後2〜3駅が過ぎ,おじいさんがゆっくり立ちあがり,僕に近づいていて腕につかまってきたのです(もちろん揺れているので転ぶのが不安)。
そして,言葉少なく「彼にありがとうって」と小さな声で伝えてきたのです!!


彼は,決してアサーティブではなかったけど,
他者を受け止め,身体に力を入れて受けるという格好で応じました。

彼にこころの成長を感じた一瞬でした。
今日の話は,地域で暮らし,通勤電車に乗っていたから発見でした成長です。
また明日から何か発見できそうで,ワクワクします。

2016年9月10日土曜日

働いている相手に話し掛けることって難しい

 トライフルは就労移行支援事業と生涯学習の場です。
 トライフルは,週1回ずつ,定期的に職場実習に通わせていただき,
評価改善を進めていく方法で生活スキル・職業準備スキル・職業スキルの習得を目指しています。

 今週も,メーカーズシャツ鎌倉(株)様の鎌倉本店(http://www.shirt.co.jp)で,ギフトリボン制作のお仕事をとおして実習を行いました。今回は,「検品をお願いするために接近行動が取れること」と,「伝えたい内容をコミュニケーションアプリ(http://apps.tasuc.com/communication/)を用いて構文を作って伝えること」を目標にしました。

目標の1つであった構文を作って伝えることはできましたが,
もう1つの“接近行動”については,課題が残りました。

・誰に報告に行けばいいか?
・どのタイミングでいくか?
・どのくらいの距離間が望ましいか?

 店舗実習ですので,スタッフ方達もお仕事をされています。それも複数です。
一緒にフロアにいますのでリボンを切ってくれたり,修正を手伝ってくれたりもします。
優しいスタッフの方々ばかりですが,
実習のたびにいつも同じ方がいるとは限らないし,必ず近くにいるわけでありません。
そして,接客中の場合もあるし,棚卸しの仕事の最中かもしれません。

接近できることも重要ですし,さまざまな状況を判断することが必要でした。
1つ達成して,3つ課題をもらってきました。
やっぱり現場って素晴らしい。
決してやらせではない,本人にとって本当に必要と感じたときの表出行動だから
体験的に学習することが出来ていると感じる瞬間がたくさんありました。





2016年9月7日水曜日

一人一人に応じたスケジュールを携帯する

 トライフルは,就労支援事業と生涯学習の場です。

 私たちは,アセスメントをとおした『理解』を大切にします。そして,構造化を基本とした支援を行っています。環境調整(構造化)は、療育・教育という「挑戦」への体制づくりだから、ASDなどの発達障がいのある人の支援をスタートする者にとって、常に学び続けるテーマです。

 今回は,スケジュールのご紹介です。スケジュールは,いつ,どこで, どんな活動をするのかが理解しやすくなります。スケジュールを使用することで,これからの活動を予測し,心の準備をすることができ,不安や混乱を予防できます。

 トライフルに通う方たちは,小さいときから,実物や写真カードを使って,スモールステップで『スケジュール』を学んできました。とにかく,徹底して個別化してきました。形態もステップアップしていき,今ではiPodのアプリ(http://apps.tasuc.com/schedule/)を使えるようになったことで,一気に携帯しやすくなりました。

 無理のあるスケジュールは続きませんし、本人の理解力と生活ペースを考慮することが欠かせません。他の人に合わせるためのスケジュール出はなく、本人が理解するためのスケジュールであることが重要です。時には,急な変更などに対して,主体的に応じられるようなスキルも必要です。今は,移動中にもそうした練習をしています。



2016年9月3日土曜日

自分で移動する力をつける

 トライフルは,就労支援事業と生涯学習の場です。

 トライフルでは,この半期,自分で移動する力をつけることを重視してきました。
所属するメンバーは,幼少期のころ,パニックが頻発して,苦しい時代もありました。

そこから高校卒業まで,移動にはなかなか挑戦できないまま卒業してしまったけど,
18歳までに認知・行動・社会性を整えていけるよう療育を続けてきたのです。
また,出発前の身仕度を整えたり,並んで歩いたりする主体的な生活に向けて,
体験的な経験を深めてきました。
長年かけて身に付けてきた習慣は,地域に出ても生かされています。

だから,4月から,“働く”ために「自分で移動する」練習に取り組めています。

 4月に入学してから半年・・・。
最寄り駅から自宅まで,一人で歩いて帰る」ことのゴールが見えてきました!!
自分で移動することができて,明らかに“自己信頼”が高まってきます。

まだまだ,不測の事態に応じるには,課題がありますが,これからも1つずつ,
彼らと共に,生活スキル・職業準備スキルを高めて,地域で暮らすことにトライします。




2016年9月2日金曜日

安定した生活の基盤となる『家庭』の環境調整

 トライフルは,就労支援事業と生涯学習の場です。発達障がいのある人の支援は、日々の生きづらさや上手くいかない背景にある特性,特徴,性格(学習スタイル)を、アセスメントをとおして理解し、その学習スタイルが活かせる環境調整(構造化)を行うことから始めます。

 環境調整は,職場や学校はもちろん,一人一人の安定した生活の基盤となる『家庭』でも行います。年齢が上がっていくと,活動時間が延びてきたり,実習などの緊張する機会が増えたりします。すると,子ども達はクタクタになってしまい,夕方以降の生活に影響が出てしまうことがあります。

 そこで,帰宅後のコンディション管理を重視して,定期的な環境調整をしていきます。今週の家庭訪問では,『気持ちを休める』『身体を休める』ことに注目して,場所と時間の構造化に関して,家族・本人と一緒に確かめてきました。小さいときから療育を続けてきたお二方は,次のようなことが定着してきました。


 ・自室などのプライベートスペースを活用している

 ・自分の趣味を持っている
 ・週末などに励みにする活動がある
 ・身体を休める方法を持っている,選べる
 ・家庭での役割活動を担っていること(一人の活動と共同作業)
 ・トークンエコノミーシステムが理解されている
 ・1週間,1ヶ月,家族のスケジュールが活用している

継続は力なり。しっかり積み上げていきます。