通勤電車の中で支え合う経験
トライフルは,就労支援事業と生涯学習の場です。
今朝,私鉄に乗って一緒に通勤していたときの出来事です。
まとめると,
・見ず知らずの方との偶然の接点がありました。
・いきなり“握られる”(=頼られる)という経験でした。
・そのまま10分近く隣同士で座った時間を過ごしました。
・そして,「ありがとう」と声をかけられました。
・彼は,おじいさんに気づいたけど,手を差し出せなかったし,何の返事もできなかった。
・でも,滑ることが怖くて腕を握ってきたおじいさんの働きかけを,正面から受け止めることができた。
今日の出来事は,電車通勤していたから出来た経験です・・・。
小雨が降っていて,階段や点字ブロックなどが滑りやすい朝でした。
当然のことながら,車内の床も濡れていて,滑りやすい状況です。
そんなとき,80歳を越えているだろうと思われる腰を大きく曲げて,杖を突いて歩くおじいさんが乗車してきました。しかし,席に着く前に電車が動きだし,電車が揺れ出したので,おじいさんはドア付近の角に身を寄せて止まっています。(見ている方も不安になり)声をかけたのですが,足を滑らせる怖さがあってか動けず,「大丈夫」と手で答えてくれました。
次駅で停車したとき,おじいさんは,クルッと反転してこちらを向き,トライフルメンバーの隣の空席に移動しようして歩き出したのです。停車時間はほんの1分程。子どもは,正面を歩くおじいさんを見つめ,不安そうな目をしていました。でも,声をかけることはできませんでした。
たどり着く前に発車ベルが鳴り,おじいさんはさらに焦って,子どもの腕に手を掛けて(手を貸してもらって),座るために体位を変えました。身体の向きを変え始めて15 〜20秒ほどでしょうか・・・。
彼の腕と背中に,「グッ」と力が入ったことがすぐに分かりました。それでも彼は何食わぬ顔で,おじいさんに腕を握ってもらったままジッとしていました。その様子が,どこか誇らしげでした。
でも本当はびっくりしたんだと思います,きっと。
おじいさんは席に着いて「ありがとう」と言い,つかまっていた手を放し,汗を拭ってから彼の横顔をみました。イヤーマフをして,電光掲示に注目していた彼を,おじいさんは何度か振り向いて見ていました。
その後2〜3駅が過ぎ,おじいさんがゆっくり立ちあがり,僕に近づいていて腕につかまってきたのです(もちろん揺れているので転ぶのが不安)。
そして,言葉少なく「彼にありがとうって」と小さな声で伝えてきたのです!!
彼は,決してアサーティブではなかったけど,
他者を受け止め,身体に力を入れて受けるという格好で応じました。
彼にこころの成長を感じた一瞬でした。
今日の話は,地域で暮らし,通勤電車に乗っていたから発見でした成長です。
また明日から何か発見できそうで,ワクワクします。
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