働いてこそ、幸せになれる
学生時代に生活介護しか実習をしたことがなかった知的障がいのあるASDのメンバーが、トライフルで約2年間勉強を続けた結果、企業就労に挑戦し、見事合格しました。 何か仕事をして「ありがとう」と言われて嬉しい。 そういう気持ちは、普段の現場でも常々感じることですが、障がいがどんなに重度の人も同じだと思います。 「ありがとう」をたくさん集めるために「仕事」に打ち込んで、「幸せ」を感じる。 まさに、「働いてこそ、幸せになれる」そういう価値観を、トライフルでは特に強く伝えてきました。 障がいを理由に生活介護しか紹介されずに、就労にチャレンジする機会すら与えられないなんておかしい。 だからこそ、「やりたい仕事に就かせてあげたい」や「挑戦の機会と再挑戦の機会を!」という言葉をスローガンに、私たちは保護者と協働しながらそういった理不尽と戦ってきました。これからまた苦しい局面があり、挫折することもあるかもしれません。その時はまた一緒にビバークして、また機が熟したら再チャレンジをする。そういったスタンスで全てのメンバーとその保護者と向き合っていきます。 日本理化学工業の大山泰弘氏はその著書の中で、 「施設で保護されていると、「ありがとう」と言うことはあっても、「ありがとう」と言われることはないかもしれない。施設にいるだけでは、人にほめられ、人の役に立ち、人から必要とされることは実感できない。だからこそ、彼女たちは工場にやってくるのだ」 と、「働く幸せ」について説いています。 また、ヤマト福祉財団の小倉昌男氏も、 「健常者と同じ立場で働き、暮らせる。それがノーマライゼーションの発想だ」 と説き、「福祉1万円からの脱却」を強く謳っています。 これらの先人達の言葉に、私は心の底から同感と敬意を表します。 今巷では、グループホームで生活するために、障害者基礎年金だけでは暮らせないというのは、自明の理となっています。どんなに障がいが重たくても、地域で自分らしく暮らしていくためには、「働い」て、「稼ぐ」ことが必須な社会になっています。 そういった社会情勢だからこそ、ノーマライゼーションを実現するチャンスです。 「働いてこそ、幸せになれる」